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更新日:2023年2月27日
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地下や水中に埋もれている有形の文化財のことで、一般には『遺跡』と呼ばれている、私たち人類の祖先の生活の痕跡です。学術資料として貴重なだけでなく、自然環境とともに、豊かな郷土、潤いある生活環境を築くために欠くことのできない大切な文化遺産です。
住居跡や柱穴など、大地に直接残されたものを『遺構』、土器や石器など取り上げることができるものを『遺物』といい、それらから構成される全体を『遺跡』と呼んでいます。
埋蔵文化財は、文字などによる記録が残されていない時代の歴史を知るための唯一の資料です。現代に生活する私たちは、国民共有の財産と位置づけられている埋蔵文化財を大切にし、祖先の貴重な足跡を後世に伝えるため、守っていく義務があります。
町内には120を越える遺跡が確認されています。その範囲内で掘削工事や建物の建設など、地中の埋蔵文化財に影響を与える工事などを行う場合には、基本的に発掘調査を行う必要があります。
中種子町でも、道路改良工事等の公共事業や携帯電話基地局の建設などで、多数の発掘調査が行われています。
発掘調査の様子(平成19年3月 大角遺跡)
これまでの発掘調査の成果は、報告書にまとめられた後、歴史民俗資料館で保管・展示されています。約30,000年前の生活痕や弥生時代のお墓など、貴重な資料が多数出土しています。
30,000年以上前に降り積もった火山灰の下層から、土坑(意図的に掘った穴)・焼土跡・礫群(調理場の跡と思われる)・石器がまとまって出土しました。この発見は、それまでの旧石器時代の定説を覆すものとして大いに注目されました。
縄文時代草創期の地層から、意図的に分割されたと思われる石槍が出土しました。材質は種子島で産出されない安山岩で、製作した痕跡も残っていないことから、島外で造られた後に持ち込まれたと考えられます。そのルートや分割された理由などは解明されていません。
新種子島空港の建設に伴い、県埋蔵文化財センターにより発掘調査が行われました。縄文時代の住居跡が多数検出されたほか、けつ状耳飾りや土器、石鏃(石製の矢じり)など、多数の遺物が出土しました。
太平洋に面する、東側の砂丘地帯に現存する遺跡です。昭和30年~35年に調査が行われ、弥生時代の覆石墓(石で覆われた墓)が検出され、多数の人骨がほぼ完全な形で発掘されました。同時に貝製品やガラス玉などの装飾品や副葬品も出土し、当時の埋葬の様子を知るうえで大変貴重な結果となりました。
中種子町の南に隣接する南種子町でも、同時期の遺跡が調査されています(広田遺跡)。
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